米国「Science」誌の世界初主催イベントに 「e-kakashi」チームが登壇、 農業におけるIoT、ビッグデータ、AI、CPSの活用事例を紹介 – PSソリューションズ

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米国「Science」誌の世界初主催イベントに
「e-kakashi」チームが登壇、
農業におけるIoT、ビッグデータ、AI、CPSの活用事例を紹介

ソフトバンクグループ傘下のPSソリューションズ株式会社(東京都港区、代表取締役社長:鬼頭 周、以下「PSソリューションズ」) は、2018年3月12日から開催された「Science Robotics Meeting in Japan 2018–Challenges and Opportunities of Robotics–」(主催:Science/AAAS※1)において、PSソリューションズが提供する農業IoTソリューション「e-kakashi」がプラチナスポンサーとして参加しました。さらに同イベントの協賛講演で、「e-kakashi」によるIoT、ビッグデータ、AI、CPS等の先進技術を用いた農業セクターでの課題解決方法や、実際の導入事例などをご紹介いたしました。

 

イベントの2日目となる3月13日(火)に開催された協賛講演では、PSソリューションズのフェロー、博士(システム情報科学)山口 典男、CPS事業本部 農業科学Lab. 主幹研究員、博士(農学)山本 恭輔、CPS事業本部 農業科学Lab. 所長、博士(学術)戸上 崇、が順に登壇し、それぞれ「e-kakashi」とロボティクスに関する概要、農業分野における人工知能やIoTを活用した将来的な構想、また実際に「e-kakashi」を導入している現場の取り組みについて講演を行いました。

 

 

最初に登壇した山口は、日本の農業を引き継いでいくために、農業とIoTを融合させ農業の課題をどのように解決していくか、またBigデータ・AI・CPSを具体的にどう使っていくかについて、IT事業者の目線で講演しました。「e-kakashi」は農業をカーナビのようにナビゲートするシステムですが、農業は自然科学であり複雑系の分野であるため、人間の感覚だけで見える化するには限界のある情報が沢山あります。ベテラン農家は、自分が感覚として持っている経験や勘を、どうにかして若い人に伝え引き継いでいかなくてはなりません、と現代農業の課題と、それに対して「e-kakashi」ができることについて紹介しました。「e-kakashi」は当課題に対し、ベテラン農家の経験や勘と「e-kakash」で収集して分析したデータと紐付け、「ek レシピ」と呼ばれる一つのデータ形式に落としこみ、カーナビのように若い就農者を導いていけるシステムであると説明しました。さらに、農業に使われる一部の装置を「e-kakashi」を使って自動遠隔制御するサービスを開発しており、今後は農業を半自動運転できるように発展させていきたいと「e-kakashi」と農業に対する思いを語りました。

 

 

山本登壇時の様子

 

続いて、山本は研究開発を行っている立場から、農業分野でAI、IoT等最先端技術をどのように栽培現場に適用していきたいか、現状の課題と合わせ説明を行いました。「e-kakashi」は、商用化された2015年前より総合すると、1億件以上のレコードを取得しています。これは深いネットワークのディープラーニングを追求できる十分な情報であるものの、これらを 意味を持つデータとして情報を繋げ合わせると、使えるデータはかなり減ってしまいます。つまり複合的な要素が絡み合う農業分野においては意味を成すビックデータを集めることは難しいといえ、その問題解決のため、機械学習と植物科学を融合させてAIを構築する方法を採り、これが「e-kakashi」の特徴となっている説明しました。現在、「e-kakashi」の研究開発チームとして、“スモールデータでも良い結果を出せるハイブリッドAI※2”を作っており、この取組を成功させることで、スモールデータからでも我々がまだ分かっていない新しい植物生理学的な知見の発見に繋げることができると、将来の可能性を見据え取り組みの重要性を語りました。

 

 

 

戸上登壇時の様子

 

最後に戸上より、実際に栽培現場で「e-kakashi」を使い何ができているか、現在の大きな課題である、農家の減少や高齢化に伴う技術の継承、担い手の育成、また農業による環境負荷問題に絡めた紹介が行われました。

農業においては、データ単独では意味を持たずただの数字の羅列になってしまいますが、その他の情報を集約して分析することで知見になり、さらに生産者が作ってきた経験や勘など、価値のあるものと混ぜることで具体的に地域ごとにおける栽培のノウハウを知的財産として見える化でき、これらを後世に伝えていく取り組みを行っていることについて説明しました。実際にすでに進んでいる九州にある農業大学校での教育現場における取り組みの紹介に加え、総務省の事業として行われている福岡県宗像市での導入事例、千葉県いすみ市の事例などの紹介と合わせ、データを見せた後のベテラン農家と若手農家の反応の変化といった現場レベルでの具体的な事例が紹介されました。また、海外での活用例として、コロンビアで国際熱帯農業センター(CIAT)が進める貧困地域における食糧問題や水資源問題を解決するプロジェクトについての説明を行いました。また今後は、ほ場管理、リモートセンシング、ドローン、生育シミュレーション、遠隔の制御システム、ロボティクスなど、より幅広い分野のエキスパートと共に新しい取り組みを行うことが、この分野の発展に繋がるということを訴えました。最後に、「e-kakashi」を使って日本、世界の農業課題を解決していくという大きな志をもって活動していきたいと、今後の意気込みを語りました。

 

また、イベント期間中、PSソリューションズは出展ブースにて「e-kakashi」の実機とサービスを展示することを通して、イベントに訪れた多くの方々に、「e-kakashi」と「e-kakashi」の農業分野における重要性について理解を深めて頂きました。

PSソリューションズは、国内外の農業が抱える課題を解決する一助となるよう、「e-kakashi」による科学とITを駆使した先進的な取り組みを通じて、今後も日本のみならず世界の農業の発展に貢献して参ります。


講演終了後撮影。左から山本、戸上、山口

 

※1 アメリカ科学振興協会(American Association for the Advanced of Science)。科学論文誌Science(サイエンス)の発行元。

※2 「e-kakashi」のAIは、ルールベース推論とモデルベース推論の組み合わせで、専門的知見・学術的根拠に基づき構築し、機械学習で補足
するハイブリッドAIです。

 

 

【「Science Robotics Meeting in Japan 2018」概要】

1880年創刊の米国Science誌が世界で初めて開催するイベント。本イベントは、ロボティクス技術の牽引国である日本で行われ、今世紀のキーテクノロジーであるロボティクス技術について科学と産業が交差する領域でロボティクス技術の可能性とチャレンジ、課題を明らかにすることを目的に開催されました。

・開催日時:

3月12日(月)12:00-17:00

3月13日(火)11:30-16:30

3月14日(水)11:30-16:30

・会場:プラザ平成–東京国際交流館 (東京都江東区青海2-2-1 国際研究交流大学村)

・主催:Science/AAAS

・URL: https://b-event.impress.co.jp/sciencemeeting/

 

【「e-kakashi」協賛講演 概要】

・講演タイトル:「農業におけるIoT、ビッグデータ、AI、CPSの活用 ~栽培における判断をサポートする「電子案山子」の事例紹介~ 」

・日時:3月13日(火) 13:40~14:20 (40分)

・会場:プラザ平成–東京国際交流館 S5-2

・講演内容:

「e-kakashi」は栽培をサポートするために、IoT、ビッグデータ、AIやCPSなどの技術を採用して開発されたシステムです。このシステムは栽培的な観点でデータを分析し、車でいうところのカーナビのように「栽培のナビゲーション」を行うことが特徴です。当セッションでは、農業セクターで頻繁に生じる課題の解決方法や、近い将来農業界で必要になると考えられる先進技術について、また「e-kakashiの導入事例についての紹介を行いました。

・講演者紹介:

 

山口 典男(やまぐち のりお)

PSソリューションズ株式会社 フェロー、博士(システム情報科学)

(株)KDD研究所(当時)にて人工知能の応用研究に従事後、(株)日本HPにて新サービス構築コンサルティングに従事。ソフトバンクモバイル(株)(現ソフトバンク(株))にてMVNO事業技術責任者としてディズニーモバイルを立ち上げた後、社内ベンチャー制度を利用してPSソリューションズ(株)から農業IoT事業「e-kakashi」 (いいかかし)をスタートさせる。

 

 

戸上 崇 (とがみ たかし)

PSソリューションズ株式会社CPS事業本部 農業科学Lab. 所長、博士(学術)

オーストラリア ニューサウスウェルズ州 公立チャールズスチュアート大学卒(学士(応用科学))その後、国立三重大学 大学院の修士課程に進学し、農業ICT分野の研究に携わる。2012年 同大学院博士課程にて、農業現場におけるセンサーネットワークおよび情報の利活用に関わる研究で博士号(学術)を取得。2012年12月日本学術会議CIGR分科会でHonorable mentionを受賞。2013年1月にソフトバンクモバイル(株)(現ソフトバンク(株))に入社以降、本プロジェクトの技術開発をリード。

 

山本 恭輔(やまもと きょうすけ)

PSソリューションズ株式会社CPS事業本部 農業科学Lab. 主幹研究員 博士(農学)

2015年に東京大学大学院にて博士(農学)の学位を取得。画像解析や機械学習、データマイニングといった情報科学技術の農学分野での応用が専門。現在は「e-kakashi」の研究開発を担当。

 

 

 

 

■「e-kakashi」とは

「e-kakashi」は、栽培ナビゲーションを行う農業IoTソリューションです。田畑などのほ場から、温湿度や日射量、土壌内の温度や水分量、CO2やECをはじめとする環境情報や生育情報を収集。収集されたデータは植物科学に基づいて構築された「ハイブリッドAI」で分析され、生育ステージごとに重要な生長要因・阻害要因を特定。今どんなリスクがあり、どう対処すべきか、最適な生育環境へナビゲートします。

また、栽培に関する知見は「ekレシピ」として記録、複数の利用者での共有が可能。栽培、栽培指導や農作業の精密化・効率化を支援します。

※EC=電気伝導度(Electric Conductivityの略)で、農業分野では土の中に含まれる肥料の量の目安として用いられます。

 

 

 

■PSソリューションズ株式会社 会社概要 

・所在地                   東京都港区東新橋1-5-2汐留シティセンター4F

・代表取締役社長  鬼頭 周

・資本金                  1億円(ソフトバンク株式会社100%出資)

・URL                    https://www.pssol.co.jp/

 

※ SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。

※ PS Solutions、e-kakashi およびe-kakashiのロゴは、PSソリューションズ株式会社の登録商標または商標です。

※ その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。