NEWS2011.09.13


ソフトバンクモバイル株式会社
情報システムCS統括情報システム本部 モバイルシステム統括部
急速に進むスマートフォン化への対応が求められる携帯電話業界
魅力的な携帯電話会社として顧客獲得を図るためには、顧客の利用パターンにマッチしたきめ細かな料金プランを用意する必要がある。携帯電話会社には、顧客の料金負担を増やすことなくより広帯域なネットワークサービスを提供し、顧客ニーズにスピーディに応えるプランやサービスメニューをスピーディに提供するといった取り組みが求められているのだ。

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[会社] ソフトバンクモバイル株式会社
[氏名] 渡辺 真生(わたなべ まさき)
[部署] 情報システム・CS統括
情報システム本部
モバイルシステム統括部
[役職] 統括部長

ソフトバンクモバイル株式会社(以下、ソフトバンクモバイル)情報システム・CS統括 情報システム本部 モバイルシステム統括部 統括部長 渡辺真生氏は、「この相反する課題に応えるためには、プランの追加や変更に対応することで大きくなるシステム部門の負荷をどう最適化し、コストダウンを図るかが課題になります」という。例えば、新規顧客の申し込み受け付け、交換機への登録や顧客端末への回線接続などを行う顧客管理システムの場合でも、スマートフォンやスマートパッドなど多様化する端末に合わせた登録のプロセスやメニューの設定、デバイスが故障した時のプロセスの違いなどに対応しなければならないし、キャンペーンやメニューの変更にもリアルタイムに対応する必要がある。そうしたきめ細かな対応を顧客にコストを転嫁できない環境下で行う必要があるためだ。

オフショア開発を視野に取り組んだ内製化というアプローチ

ソフトバンクモバイルでは、2008年、基幹システムのリニューアルにあたって、従来の大手開発ベンダーに100%依存していた形態から、社内のリソースの活用、要件や開発形態ごとに最適な複数のベンダーを活用し、社内にノウハウやリソースを集約するという内製化のためのアプローチを実施した。社内の情報システム部門が大手開発ベンダーに発注し、その大手開発ベンダーが複数の国内開発ベンダーを管理するという従来の構造から、社内の情報システム部門自らが、個別の開発案件ごとに国内外の開発ベンダーを管理するというスタイルに移行したことで、新たな機能追加などが迅速化されただけでなく、障害発生時にも社内のエンジニアを中心にスピーディに原因追及から対処まで行うことが可能になったという。

国内ベンダーのクオリティでオフショア開発を支援するPSソリューションズ

ソフトバンクモバイルの取り組みの中で、特に注目したいのが、国内開発ベンダーの多くをオフショアに移行することで、さらなるコスト削減を実現していることだ。そのオフショア活用のパートナーがPSソリューションズ株式会社(以下、PSソリューションズ)である。渡辺統括部長が、「オフショア開発ベンダーを選ぶ際に、国内から、プロジェクトごとに最適なベンダーをセレクトして契約し、ネットワークの敷設やファシリティ整備の状況を確認する。

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そうした複雑なプロセスをワンストップで提供してくれるのが、PSソリューションズの魅力だと思います」というように、ファシリティやネットワーク、セキュリティ面での不安を解消し、ビジネス上の慣習やルールも異なる環境で開発を行うオフショア開発ベンダーを効率的に活用するためには、専門的なノウハウと知識を持ったパートナーの存在が不可欠だ。「PSソリューションズに発注すれば、国内開発ベンダーの感覚でオフショア開発ベンダーを使えるということ。それが一番のメリットではないでしょうか」(渡辺統括部長)。
現在、ソフトバンクモバイルでは、開発・運用している顧客管理システムのうち、13ほどの個別システムの開発、テスト、運用保守の一部をPSソリューションズに委託。重要な上流工程であるシステム要件定義や基本設計などは社内で行い、サービスの仕様の変更などにリアルタイムに対応する。逆に詳細設計や開発、テストといった製造工程をオフショア開発ベンダーに委託し、トータルなコスト低減を実現している。「もちろん、顧客データなどは国内に置いて管理しています。開発環境は、シンクライアント化されていますから、中国側にデータが残ることはありません」というように、セキュリティ上の不安も少ない。

オフショア活用によるコスト削減の仕組み
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競合他社に打ち勝つための切り札として期待

「PSソリューションズの場合は、案件ごとの一括発注だけではなく、例えばある開発に5人/月必要だからリソースを追加して欲しいといったニーズに、オフショアで対応してもらうことができます。これは、他の国内開発ベンダーにはないスキームといえるのではないでしょうか」(渡辺統括部長)。柔軟でオンデマンドな開発スタイルと、オフショアならではの低コストを両立するためのパートナーとして、PSソリューションズの役割は、さらに大きくなろうとしている。

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「開発コストは、従来の一括発注時の70%程度に抑えられています」というように、コストメリットも大きい。また、定常開発だけでなく、新規プロジェクトを立ち上げて、一気に開発を進めるといった場合にも、オフショアでの要員をすぐに追加することが可能なため、プロジェクト単位での開発にも柔軟に対応できる。オフショアの効率的な活用により社内のリソースに余裕が生まれることも大きなメリットだ。「開発のスピード感はソフトバンクグループの強みだと思っています」という渡辺統括部長にとって、PSソリューションズの提供するソリューションは、競合他社に打ち勝っていくためにも、欠かせないものといえるのではないだろうか。